地域密着型研究プロジェクト

KAGUYAプロジェクト概念枠組み

昨今、身体機能および認知的・心理機能が高いことに加え、地域のつながり等の社会機能が高い地域で生活することによって健康長寿に良い影響を及ぼすことが分かってきました。具体的には、各種地域行事への参加、趣味などの知的活動、ボランディアなどの社会的相互支援活動への参加といった身体的、心理的、社会的な活動を通じ地域が活性化することが地域全体の健康長寿につながります。
KAGUYAプロジェクトは、畿央大学が地域への様々な介入を実施し、データを多面的に分析することで地域の健康増進にどのような因子が寄与するかを明らかにすることを目標としています。

竹田、近藤、平井(2009)を元に筆者らがKAGUYAプロジェクトに拡張

ヘルスケアデータ統合プラットフォーム構築に関する研究

リーダー:宮崎 誠(教育学習基盤センター)

 

健康に関するデータベースを構築することで、全体の健康に関する傾向を把握するだけでなく、地域環境の特徴を踏まえた健康課題の分析(例えば、年齢や地域、性別等)が可能となり、それに応じたよりきめ細かな健康施策や地域介入研究が可能となります。健康に関するデータには、
・大学が運動教室などを通じて取得・管理しているデータ
・自治体が管理しているデータ
・大学や自治体が行う健康状態や意識等を調査したアンケート回答データ
などがあり、大学や地域に点在していますが、それらを組み合わせて関係性を分析するような活用が十分にできていませんでした。そこで、この研究では、様々に点在したデータのなかからソーシャル・キャピタルを分析するのに必要なデータを一つに統合したデータベースを構築することによって、健康増進施策や地域への介入研究を評価分析するための基盤システムを開発することを目的としています。

一元化

住民リーダー(介護予防リーダー)の育成

リーダー:高取 克彦(ヘルスプロモーションセンター)

 

本学では地域包括ケアシステムにおける「自助」と「互助」の観点から住民主体の介護予防における担い手(住民リーダー)の育成支援と効果について研究してます。本学所在地の広陵町では、介護予防リーダー(チーム名:KEEP)養成講座を開講しており、本学もそのサポートに携わっています。広陵町との連携によりシルバーカレッジなどのスタイルを導入して大学教員が中心となって養成を行うこと、また実際の現場へ実習に行くカリキュラムを取り入れた実習型の養成講座で、全国的に見ても数少ない取組みです。KEEPの方々は40名以上が実際の地域で活躍されており、住民主体の介護予防教室の実施や地域サロンなどへの出前講座、町内健康イベントへの参加なども実施されています。本プロジェクトでは住民リーダー育成と活動のバックアップだけでなく、介護予防の担い手となることが自身の健康状態に及ぼす影響や住民主体の介護予防の効果検証に関するエビデンス構築をめざしています。

KAGUYAにおける住民リーダー育成の効果についての研究

認知症アプリケーションの開発

リーダー:山崎 尚美(看護医療学科)

 

本学では、「認知症の人にやさしい町広陵町・認知症ケアに強い大学畿央大学」という認知症の啓発および早期発見のためのアプリケーションの開発に関する研究をしています。
認知症アプリ開発班では、新オレンジプランに基づく地域包括ケアシステムでの認知症カフェのモデル事業を立ち上げ、参加した住民の方に対して簡単なもの忘れチェックを実施していきます。少しでも地域住民の方の「もの忘れに対する不安」を軽減するためにアプリを作成し、認知症カフェや町内の事業、老人クラブなどの活動の場で試行していきたいと考えています。現在、町内には事業所併設型の認知症カフェ「ひまわりカフェ」が2か所で展開されています。さらに古民家や喫茶店と連携した認知症カフェを企画し、地域住民の認知症に対する不安、関心度、認知症に対する認識の変化や地域住民自らのエンパワーメント力の変化について明らかにしていくことをめざしています。

KAGUYAプロジェクトにおける認知症施策の介入効果についての研究

住民への健康支援が多専門分野から構成される学生チームに与える教育効果

リーダー:松本 大輔(理学療法学科)

 

本学では健康と教育の専門職を育成する大学として、学生が自分自身の健康管理を学ぶだけでなく、自ら実践し、さらに地域社会へ還元できることをめざしています。2013年度から、学生、地域住民の健康を支えることを目的に健康支援学生チーム「TASK」が結成され、現在全5学科から約100名の学生が在籍しています。活動として、月1回の自主的な学習活動、学内の健康診断・体力測定、オープンキャンパスでの活動以外にも、学園祭では約200名以上の地域のみなさまに対して健康チェックを行い、経年変化の結果を示し、ご自身の健康を考えていただく取り組みをしています。KAGUYAプロジェクトでは、このように学内外で活躍するTASKにおける健康支援に関わる能力(コンピテンシー)についての詳細な検討を行った上で有用な指標を開発し、学内教育にとどまらず、学外で地域住民に関わることによるその教育効果を示していきたいと考えています。 さらに、専門職をめざすが若者が地域住民の健康支援に関わることで、地域の壮年・高齢者の健康に寄与することができるのかも検討していきます。

研究メンバー一覧

  • 文 鐘聲

    ヘルスプロモーションセンター 研究部門長(研究代表者)

  • 高取 克彦

    ヘルスプロモーションセンター センター長

  • 福森 貢

    看護医療学科 教授

  • 山崎 尚美

    看護医療学科 教授

  • 松本 泉美

    看護医療学科 教授

  • 福本 貴彦

    理学療法学科 准教授

  • 瓜谷 大輔

    理学療法学科 准教授

  • 串田 修

    健康栄養学科 講師

  • 松本 大輔

    理学療法学科 助教

  • 宮崎 誠

    教育学習基盤センター 特任助教